
この記事でわかること
- こどもNISAで購入できる商品の種類
- 投資信託を選ぶ3つのポイント
- FPが厳選したおすすめ商品3本の特徴と向いている人
- オルカンとS&P500、どっちを選ぶべきか
- 子どもの年齢別・積立の考え方
- 月いくら積み立てればいいか(シミュレーションつき)
前回の記事では、こどもNISAの制度の概要をお伝えしました。
今回はその続編です。「制度はわかった。でも、実際に何を買えばいいの?」という疑問を持った方のために、投資歴20年超のFPが投資信託の選び方をわかりやすく解説します。
結論から先にお伝えします。
投資初心者なら、まずは『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』1本から検討するのがおすすめです。
その理由を、これから順を追って説明していきます。
- こどもNISAで買える商品は?まず全体像を整理しよう
- 投資信託の種類をざっくり理解しよう
- 投資信託を選ぶ3つのポイント
- 投資歴20年超のFP厳選!おすすめ投資信託3選
- オルカンとS&P500、どっちを選べばいい?
- 子どもの年齢別・積立の考え方
- 月いくら積み立てればいい?現実的な金額の考え方
- よくある質問(FAQ)
- まとめ:こどもNISAの投資信託選び3行まとめ
こどもNISAで買える商品は?まず全体像を整理しよう
「つみたて投資枠」の対象商品のみ
こどもNISAで購入できるのは、「つみたて投資枠」の対象商品のみです。個別株や通常の投資信託は購入できません。
つみたて投資枠の対象商品とは、金融庁が「長期・積立・分散投資に適切である」と認定した投資信託・ETFです。つまり国が「これは長期投資に向いている商品ですよ」とお墨付きを与えた商品だけが対象になります。
こどもNISAで買えるもの・買えないもの
| 商品の種類 | こどもNISAで買える? |
|---|---|
| つみたて投資枠対象の投資信託 | ✅ 購入できる |
| つみたて投資枠対象のETF | ✅ 購入できる |
| 個別株(国内・海外) | ❌ 購入できない |
| つみたて投資枠対象外の投資信託 | ❌ 購入できない |
| FX・仮想通貨・金 | ❌ 購入できない |
FPのコメント:購入商品が限定されるのは、初心者には逆にメリットでもあります。こどもNISAは最初から「長期投資向きの商品」に絞られているので、選択肢が多すぎて失敗するリスクが低いのです。
投資信託の種類をざっくり理解しよう
商品を選ぶ前に、投資信託には大きく3つの種類があることを知っておきましょう。
| 種類 | 特徴 | こどもNISAとの相性 |
|---|---|---|
| インデックス型 | 市場全体に連動・低コスト・長期向き | ◎ 最適 |
| アクティブ型 | プロが銘柄を選び運用・コスト高め | △ やや慎重に |
| バランス型 | 株・債券など複数の資産に分散 | 〇 年齢・目的次第 |
こどもNISAのような長期の積立投資には、インデックス型が基本です。その理由は後ほど詳しく解説します。
投資信託を選ぶ3つのポイント

① コスト(信託報酬)が低いものを選ぶ
信託報酬とは、投資信託を保有している間、毎年かかる管理コストのこと。年率で表示され、自動的に基準価額から差し引かれます。
たとえば年率0.5%と0.1%のファンドでは、20年後に数十万円以上の差が生まれることがあります。
目安:年率0.2%以下を選びましょう。
人気のインデックスファンドの中には、信託報酬が年率0.05〜0.1%台のものも多くあります。
投資の世界においては、低コストこそが、もっとも確実にリターンを押し上げる要素のひとつです
② 純資産総額が大きいものを選ぶ
純資産総額とは、そのファンドに集まっているお金の総額です。純資産が大きいファンドには、次のようなメリットがあります。
- 多くの投資家に選ばれている=信頼の証
- 繰上償還(早期終了)のリスクが低い
- 運用コストが安定しやすい
目安:純資産総額1,000億円以上のファンドが安心。
③ 広く分散されたファンドを選ぶ
「分散投資」とは、1つの国や企業に集中せず、複数に分けて投資することです。
「卵を1つのかごに盛るな」というのは投資の格言。もし1つのかごを落としても、他のかごの卵は無事です。
たとえば全世界の株式に分散するファンドを選べば、ある特定の国の経済が悪化しても、他の国の成長でカバーできる可能性があります。
投資歴20年超のFP厳選!おすすめ投資信託3選
⚠️ 免責事項:以下はあくまでも一般的な情報提供であり、特定の商品の購入を勧めるものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください
1.eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
通称「オルカン」。迷ったらこれ1本でOKです。
特徴
- 日本を含む先進国・新興国、約50か国の株式に分散投資
- 信託報酬:年率0.05775%(業界最低水準クラス)
- 純資産総額:約11兆2,000億円(2026年5月時点)
- 設定来リターン:+221.76%(2026年5月時点)
こんな人に向いている
- 投資初心者でとにかくシンプルに始めたい人
- 子どもがまだ小さく、長い期間(10年以上)運用できる人
- 迷ったら「これ1本」と割り切りたい人
FPのコメント:なぜオルカンが「まずこれ」と言われるのか?
世界中の株式に1本で分散できるため、「この国が伸びる・この国が下がる」を予測しなくて済みます。投資の世界でも「将来どの国が伸びるかは誰にもわからない」というのが大前提。だからこそ、最初から全世界に分散しておくのが合理的な選択です。
2.eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
米国経済の成長を信じて長期保有できる人向け。
特徴
- 米国の主要企業500社に投資(Apple、Microsoft、NVIDIA、Amazon、Googleなど)
- 信託報酬:年率0.0814%
- 純資産総額:約11兆4,800億円(2026年5月時点)
- 純資産総額が1兆円を超えてから約1年半で10兆円を突破
こんな人に向いている
- 米国株の長期的な成長を信じている人
- 「世界の主力企業に投資したい」という人
- 多少の集中リスクを取って、リターンを狙いたい人
FPのコメント:注意点は米国集中リスク
S&P500は米国の企業のみへの投資です。米国経済が長期低迷するシナリオでは、オルカンより大きく下がる可能性があります。「分散」という観点では、オルカンより劣ります。
3.ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)
「株式が怖い」「もう少し安定したい」という人のための選択肢。
特徴
- 国内株式・先進国株式・国内債券・先進国債券を各25%ずつ保有
- 信託報酬:年率0.154%
- 定期的に自動リバランス(4資産の比率を自動で25%ずつに調整)
こんな人に向いている
- 「株式100%は怖い」と感じる慎重な方
- 子どもがすでに小学校高学年〜中学生で、大学入試まで残り少ない方
- 「暴落したらどうしよう」という不安が強い方
FPのコメント:安定運用が期待できますが、債券が半分を占めるため、長期的な期待リターンは株式100%のファンドより低めになります。ちなみに、皆さんの年金を運用しているGPIFは、この4資産均等方式で運用しています。
3商品の比較まとめ
| オルカン | S&P500 | 4資産均等型 | |
|---|---|---|---|
| 投資対象 | 全世界株式 | 米国株式 | 株式+債券 |
| 信託報酬(年率) | 0.06% | 0.08% | 0.15% |
| リスク水準 | 中〜高 | 中〜高 | 中(債券が安定) |
| 長期リターン期待 | 高い | 高い | 控えめ |
| おすすめ年齢 | 0〜11歳 | 0〜11歳 | 12〜17歳にも |
| 一言で言うと | 迷ったらこれ | 米国集中投資 | 安定重視 |
せっかくなら日本株を重視したいという方なら
・eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)もオススメです。
日本、先進国、新興国が3分の1ずつ均等に組み込まれています。オルカンは日本比率が約5%に対し、こちらは33.3%と高いので、日本株を推したい人に向いています。
eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型) | eMAXIS(イーマクシス)
オルカンとS&P500、どっちを選べばいい?
この2つはよく比較されますが、実はどちらも「正解」です。大切なのはどちらが優れているかではなく、「続けられるかどうか」です。
共通点
- どちらも低コストのインデックスファンド
- どちらも長期積立に適している
- 実は中身の約60〜65%が重複している(どちらも米国株の比率が高い)
違い
| オルカン | S&P500 | |
|---|---|---|
| 分散範囲 | 全世界(日本含む50か国以上) | 米国のみ |
| 米国株の比率 | 約60〜65% | 100% |
| 米国が不振の場合 | 他の国がカバーできる可能性 | 直撃を受ける |
| 長期リターン (過去実績) |
S&P500よりは低め | やや高め (ただし変動あり) |
FPの結論:迷ったらオルカンを選んでおけばOK。
こどもNISAは最長18年という長い時間があります。その間に「米国vs全世界、どっちが得か」を正確に予測できる人はいません。だからこそ最初から全世界に広く分散するオルカンが、投資初心者には最もシンプルで合理的な選択です。
子どもの年齢別・積立の考え方
長期投資では「運用期間の長さ」がとても重要です。残り運用期間が長いほど、一時的な暴落からも回復できる可能性が高くなります。
重要:こどもNISAは18歳で自動的にNISAに移行される
こどもNISAの資産は18歳になると、自動的に大人のNISA(つみたて投資枠)に移行される予定です。※詳細は今後の税制改正・政令により変更の可能性もあるため、正式決定後に必ず最新情報を確認してください。
これは非常に重要なポイントです。「大学入学資金として使う」のでなければ、18歳で慌てて売却する必要はありません。そのまま成人NISAとして非課税で運用を続けることができます。
FPのコメント:「子どもの大学資金として使うのか」「子どもへの資産形成として続けるのか」によって、出口戦略が変わります。目的を明確にしてから運用スタイルを考えましょう。
月いくら積み立てればいい?現実的な金額の考え方
まず「無理のない金額」から始めることが大切
積立投資でもっとも大切なのは「続けること」です。高いリターンを狙って無理な金額を積み立てて途中でやめてしまうより、少額でも長く続ける方が効果的です。
たとえば「児童手当」をそのままこどもNISAへ
2024年10月の改正で、児童手当は所得制限が撤廃され、支給対象が高校生年代まで延長されました。
| 年齢 | 支給額(第1子・第2子) |
|---|---|
| 0〜2歳 | 月15,000円 |
| 3歳〜高校生年代 | 月10,000円 |
児童手当をそのままこどもNISAに回すというのが、手軽な第一歩として多くの方に支持されています。「もともと使っていなかったお金」として心理的ハードルが低いのが特徴です。
積立シミュレーション(年率5%想定)
⚠️ 以下のシミュレーションは年率5%の運用が続いた場合の仮定の計算です。実際の運用成果を保証するものではなく、元本割れが生じる可能性もあります。

たとえば月5,000円(児童手当の一部を回す場合)
| 積立期間 | 元本 | 運用後の想定額 | うち利益 |
|---|---|---|---|
| 10年後 | 600,000円 | 776,411円 | +176,411円 |
| 15年後 | 900,000円 | 1,336,445円 | +436,445円 |
| 18年後(誕生から満期) | 1,080,000円 | 1,746,010円 | +666,010円 |
ポイント:月5,000円を18年間積み立てると、元本108万円が約175万円(想定)に。利益はすべて非課税です。これがこどもNISAの最大のメリットです。
よくある質問(FAQ)
Q. 投資信託は一度選んだらずっと同じ商品でいいですか?
基本的にはそのままで問題ありません。基本的には、そのまま保有し続けることが長期投資の王道です。ただし、年に1回程度、ライフプランと照らし合わせて見直すと安心です。
Q. 積立金額は途中で変更できますか?
はい、変更できます。家計が苦しくなったときは減額、余裕ができたときは増額するなど、柔軟に対応可能です。
Q. 学資保険との違いは?どちらがいい?
学資保険は「確実に受け取れる」安心感が魅力ですが、元本割れしない代わりに利回りは低め(0〜1%台)です。こどもNISAは元本割れのリスクがある一方、長期では学資保険を上回るリターンが期待できます。
FPの考え方のひとつとして:確実に使うお金は学資保険や定期預金で守り、15〜18年後も使わない可能性があるお金はこどもNISAで育てる、という2本立ては、FPである筆者がよく用いる考え方のひとつです。
まとめ:こどもNISAの投資信託選び3行まとめ
1. 商品は「インデックスファンド」一択。低コスト・広分散を最優先に選ぶ
2. 迷ったら「オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)」1本でもいい
3. 金額は無理のない範囲から。児童手当をそのま回すのが始めやすい
投資は「完璧な商品を選ぶゲーム」ではなく、「長く続けるゲーム」です。まずは1本選んで、少額からでも始めてみることが、何よりも大切です。
この記事を書いた人:元地方公務員(埼玉県羽生市・17年間勤務)/現在は独立系ファイナンシャルプランナー(AFP)として活動。退職金・年金・NISA・iDeCoの相談を専門に、「売りたい商品のない中立的な立場」で情報発信。年間100冊以上の金融・投資関連書籍を読み、実務で使える知識をブログとご相談の場でお届けしています。
※本記事の情報は2026年5月時点のものです。制度の詳細は今後変更される可能性があります。最新情報は金融庁公式サイト・各金融機関にてご確認ください。
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