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方法は合っているのに、なぜか増えない人たち
NISAでオルカンを積み立てているし、安全資産とリスク資産も分けている。
それなのに、思ったほど資産は増えず、ストレスだけ増えている。そんな感覚はありませんか。
その原因は、「やり方」ではなく「続け方」、つまりメンタル設計にあるかもしれません。
第3回では、資産形成を続けるうえでの心理・行動の罠と、「儲けよう」と思わない合理的なメンタル設計について、投資歴20年超の独立系FPが解説します。
- 方法は合っているのに、なぜか増えない人たち
- 人が投資で失敗する3つの原因(感情・短期・比較)
- 「儲けよう」と思わないことが成功への最短距離
- 資産形成における“合理的な適当主義”
- 継続のための仕組みづくりとメンタル設計
- まとめ:第3回のポイント整理
人が投資で失敗する3つの原因(感情・短期・比較)

人が投資で失敗する理由は、実はシンプル。多くのケースは、次の3つのどれか、もしくは組み合わせです。
・短期で結果を見すぎる
・他人と比べて焦る
それぞれが資産形成にどう影響するか見ていきましょう。
1. 感情に振り回される
・相場が上がると「もっと買っておけば…」と欲が出る
・下がると「これ以上は怖い」と売ってしまう
・「あのとき買(売)っておけば」と過去を悔やむ
どれも自然な感情ですが、長期の資産形成にはほとんど役に立ちません。むしろ、感情に反応するたびに「高く買って安く売る」という行動になりがちです。
2. 短期で結果を見すぎる
・こまめに評価額をチェックして一喜一憂する
・「1年たったのに全然増えていない」と落ち込む
・少しマイナスになると「投資は怖い」と感じてしまう
長期で見れば、株式市場は何度も上がり下がりを繰り返しながら成長してきました。しかし、毎日の値動きに注目してしまうと、ほぼ確実に「不安」と「焦り」ばかりが増えます。
3. 他人と比べて焦る
・SNSで「1年で〇百万円増えた」という投稿を見る
・同僚が「米国株で儲かった」と話している
・「自分は遅れているのか」と落ち着かなくなる
他人の成果は「一番うまくいった部分だけ」が切り取られていることが多く、リスクや失敗は見えにくいものです。
他人を基準に自分の資産形成をいじると、方針がブレて結果を悪くします。他人との比較に意味はありません。
「儲けよう」と思わないことが成功への最短距離
資産形成でうまくいく人は、「とにかく儲けたい」「すぐに儲けたい」という発想をあえて捨てています。
この考え方には、いくつかのメリットがあります。
・無理に高いリスクを取らなくて済む
・一発逆転の投機的な商品に手を出さずに済む
・一喜一憂せず、「続ける」ことに集中できる
例えるなら、ダイエットで「1か月で10kg痩せたい」と思うと、極端な食事制限に走り、リバウンドしがちです。
一方、「半年かけて3〜4kg落とせればいい」と考えれば、現実的な食事管理と運動で、リバウンドしにくい形で続けられる。

資産形成も同じで、「年10%を狙う」のではなく、「インフレに負けず、世界経済の平均的な成長を取りにいく」くらいの発想で十分です。
インデックス投資は、まさにその「平均点を取りにいく仕組み」です。そう考えれば、欲と恐怖から距離を置きやすくなります。
資産形成における“合理的な適当主義”
山崎元さんのスタンスを一言でまとめるなら、「合理的な適当主義」です。
これは、「完璧を目指さず、十分合理的ならそれでいい」と割り切る態度です。

合理的な適当主義のポイントは次のようなイメージです。
・ポートフォリオの比率を「ピッタリ〇%」にこだわらない
・商品は「低コストのインデックス1〜2本」で十分
・相場のニュースは「大きく下がったときだけ確認する」くらいでよい
不安になると、つい細かく調整したくなりますが、実はこの“いじりすぎ”が成果を削ります。
むしろ、多少ズレていても、合理的な範囲なら放っておくくらいが、長期の資産形成にはちょうどよいのです。
継続のための仕組みづくりとメンタル設計
最後に、「続ける」ための具体的な工夫です。
精神論ではなく、なるべく仕組みで自分を助けるのがポイントです。

1. 仕組みで自動化する
・新NISAの積立設定を「自動引き落とし」に
・給与日の翌日に引き落とす設定し、「残ったら」ではなく「先に投資」を徹底
・ボーナス時も「〇万円はオルカンに追加」などルール化
人は、毎回判断しようとすると必ず迷います。
一度ルールを決めてしまえば、あとは「設定を変えない」ことが仕事になります。
2. 見すぎない・騒がないルールを作る
・評価額のチェックは「月1回だけ」にする
・アプリの通知はオフにする
・暴落時は「売る前に一晩寝る」と決めておく
「見ない勇気」も、立派なリスク管理です。
冷静な判断は、チャートをにらみながら興奮しているときにはまずできません。
3. 比較の対象を「他人」ではなく「自分」にする
・昨年の自分と比べて、資産額や積立額が増えていればOK
・他人の成績は「参考情報」。「競争相手ではない」
・そもそも、ゴール(必要な金額・時期)は人によって違うと理解しておく
資産形成は「マラソン」であって、「短距離走のレース」ではありません。
繰り返しになりますが、他人と比較することで資産額が増えるわけではありません。必ず自分との比較にすることです。
まとめ:第3回のポイント整理
・人が投資で失敗する主な原因は「感情」「短期志向」「比較」
・「儲けよう」と思わないこと、「平均点でいい」と割り切ることが、成功に近づく
・完璧を求めるより、70点で走り続ける方がいい
・継続のコツは、判断を減らす仕組みづくり(自動積立・ルール化)
・比較するべき相手は「他人」ではなく「過去の自分」。自分のペースで
ここまでの3回を通じてお伝えしたかったのは、「資産形成は、一部の才能ある人だけのゲームではなく、誰でも再現できる“生活の設計技術”だ」ということです。
お金の目的を決め、シンプルなシステムを作り、それを支えるメンタルを整えれば、特別なセンスがなくても十分に戦えるのです。
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