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毎月、保険料をいくら払っているか、すぐに答えられますか?
生命保険文化センターの調査によれば、日本の世帯が1年間に払う保険料の平均は37万1,000円。月に換算すると約3万円です。ところが、その保険の内容を正確に説明できる人は、思いのほか少ない。
「なんとなく不安だから入った」「担当者に勧められたから」——そんな理由で契約している方が大半ではないでしょうか。
この記事では、保険の「入りすぎ問題」を自分の力で判断できるようになる入門書を5冊に厳選してご紹介します。
独立系FP(ファイナンシャルプランナー)として相談を受けてきた著者が、「保険会社・代理店に頼らず、自分の言葉で判断できる軸を持つ」ために本当に役立つ本だけをピックアップしました。
- この記事で紹介する5冊を選んだ基準
- 5冊の一覧
- おすすめ本①:今の保険を「解約すべきか」判断する目を養う一冊
- おすすめ本②:業界の内側から語る「知られたくない本当の話」
- おすすめ本③:「保険のプロほど保険に入らない」理由をゼロから理解する
- おすすめ本④:「どれを選べばいいか」を実名でズバリ教えてくれる一冊
- おすすめ本⑤:忙しい人が「1日1分」で保険リテラシーを積み上げる
- 5冊をどう読み進めればいいか:ロードマップ
- まとめ:本で基礎を固めると、保険の「断り方」が変わる
- よくある質問(FAQ)
この記事で紹介する5冊を選んだ基準
本選びには、以下の3つを基準にしました。
・「入るべき保険」だけでなく「不要な保険」も明示していること
・独立系FP・元業界人など、販売利益に依存しない著者であること
5冊の一覧

① この保険、解約してもいいですか? 後田亨
難易度★★☆ 今の保険を見直したい人
② いらない保険 生命保険会社が知られたくない「本当の話」 後田亨・永田宏
難易度★★☆ 業界の裏側まで知りたい人
③ 保険のプロ」が生命保険に入らないもっともな理由 後田亨
難易度★☆☆ 保険ゼロ知識から学びたい人
④ 最新版 保険はこの5つから選びなさい 長尾義弘
難易度★★☆ どの保険を選べばいいか迷っている人
⑤ 1日1分読むだけで身につく保険の選び方大全100 長尾義弘
難易度★☆☆ 忙しくてまとまった時間がとれない人

どれも読みやすく、初心者にオススメの一冊です。
おすすめ本①:今の保険を「解約すべきか」判断する目を養う一冊
この保険、解約してもいいですか?
著:後田亨 / 日経BP / 1,760円(税込)
まず「今の保険を整理したい」という方は、この1冊からスタートするのがおすすめです。
どんな内容か
保険会社と乗り合い代理店で約15年間、営業職として働いた後に独立した著者・後田亨氏が、有料保険相談の現場から生まれた疑問と答えを書き下ろした一冊です。
「保険に入りすぎている五十嵐夫婦」という架空の家族が主人公で、現在加入している保険を一つひとつ整理していく物語形式で展開します。経済評論家・山崎元氏も「一回の相談で、一生分の納得。保険の本質をシンプルに説く優しい声が聞こえてきます」と推薦する話題作です。
この本で学べること
- 保険を使うべき3条件(①めったに起きない、②自己資金では賄えない、③いつ起きるか予測できない)
- 「私たちはすでに最強の終身医療保険に加入済み」国の健康保険制度と民間保険の決定的な違い
- 医療保険・がん保険・学資保険・終身保険それぞれの「必要か不要か」の判断軸
- 保険会社が「解約は損」と言う理由と、それに惑わされない考え方
著者プロフィール
後田亨氏は約15年間、大手生命保険会社と乗り合い代理店で営業職を経験後、独立。著述業と有料の保険相談(オフィスバトン「保険相談室」代表)を主な収入源としており、保険販売による利益に依存しない立場から情報発信を続けている。
こんな方におすすめ
- 何年も保険料を払い続けているが、保障内容をよく理解していない方
- 「掛け捨ては損」「解約すると損」と言われたことがある方
- 子どもが産まれて保険を見直すタイミングにある方
- NISAやiDeCoを始めて、保険料をスリム化したいと考えている方
FPから一言:保険相談でよく聞くのが「気づいたら月数万円の保険料を払っている」というケース。「何を残して何を手放すか」の判断基準を与えてくれる、まず最初に手に取るべき一冊です。山崎元氏の推薦文どおり、「やさしい声で話しかけてくれる」読み心地が魅力です。
おすすめ本②:業界の内側から語る「知られたくない本当の話」
いらない保険 生命保険会社が知られたくない「本当の話」
著:後田亨・永田宏 / 講談社+α新書 / 990円(税込)
「保険に批判的な人がなぜそう考えるのか」の根拠を、数字とデータで理解したい方に。
どんな内容か
後田亨氏と、長浜バイオ大学教授で医療情報学・医療経済学を専門とする永田宏氏の共著です。「がん保険のストーリーにだまされるな」「貯蓄・投資目的の保険はいらない」と、各保険の問題点を章ごとに解説。「すべての保険がいらない」とは断言せず、「いらない保険」と「こういう場合には必要な保険」を峻別している点が特徴です。
この本で学べること
- 「最強の保険は健康保険」公的医療保険の高額療養費制度の実力
- 保険料の約30%が事業経費として消える仕組みと、各種保険の「還元率」
- 民間の医療保険・がん保険・学資保険がほぼ不要な理由
- 必要な場合に検討すべき保険(就業不能保険・掛け捨て死亡保険など)と具体的銘柄名
- 余剰資金はiDeCoやNISAで増やすべきという出口戦略
著者プロフィール
後田亨氏については①と同じ。共著者の永田宏氏は、医学・統計学を専門とし、がん保険・医療保険の費用対効果を科学的エビデンスで検証する。医学と保険学の両視点から書かれた共著は珍しく、医療の最新動向を踏まえた保険の見方を養える。
こんな方におすすめ
- 保険業界の「ビジネスモデル」を理解した上で自分で判断したい方
- がん保険・介護保険に加入しているが、本当に必要か迷っている方
- 「安く・短く・少なく」の原則で保険を整理したい方
FPから一言:「保険は手数料ビジネス」という事実を知っているだけで、営業トークへの見方がガラリと変わります。批判的・客観的に保険を学びたい方に特におすすめ。
おすすめ本③:「保険のプロほど保険に入らない」理由をゼロから理解する
「保険のプロ」が生命保険に入らないもっともな理由
著:後田亨 / 青春新書プレイブックス / 1,012円(税込)
この5冊の中で「最も入門向け」。知識ゼロから始める方はここからどうぞ。
どんな内容か
「万が一のために保険に入ろうとしている人ほど損をする」という逆説的なテーマから始まる入門書。保険知識ゼロのアラサー女性ライターが著者の後田氏に保険の相談をするというプロローグ形式で展開し、対話形式なので「著者から直接話を聞いているような」感覚で読み進めることができます。保険を全面否定するのではなく「入るべき保険はこれ」という結論もきちんと示している構成です。
この本で学べること
- 「万が一のために保険に入る」が大きな誤解である理由
- 医療保険の還元率30%超、死亡保険で60%超という「最も手数料が高い金融商品」の実態
- 「2人に1人ががんになる」というキャッチコピーの統計的なカラクリ
- 公的医療保険(高額療養費・遺族年金・傷病手当金)で実際にどのくらいカバーされるか
- 保険の還元率が競馬(75%)より低いケースがある理由
- それでも入るなら、どの保険のどの商品が適切か
著者プロフィール
後田亨氏の著作の中でも「最も入門向け」として位置づけられる一冊。「保険が怖くてよくわからない」という完全な初心者を念頭に、ストーリー仕立てで保険の本質を説く構成が多くの読者に支持されている。
こんな方におすすめ
- 「保険のことがさっぱりわからない」という完全な初心者の方
- 保険に加入しているが、何のためにどんな保障があるか説明できない方
- 営業担当者に勧められるまま加入し、自分の意思で判断したことがない方
- 子育て世代で「とりあえず保険に入っておくべき?」と感じている方
FPから一言:「まず1冊だけ読んでみる」という方には、この本からスタートするのがおすすめです。保険の手数料構造を知るだけで、次に営業担当者と話すときの見方がガラリと変わります。
おすすめ本④:「どれを選べばいいか」を実名でズバリ教えてくれる一冊
最新版 保険はこの5つから選びなさい
著:長尾義弘 / 河出書房新社 / 1,650円(税込)
「不要な保険はわかった。では何を選べばいい?」に答える実践書。
どんな内容か
保険ランキングの専門メディアに長年携わってきた独立系FP・長尾義弘氏が、「本当によい保険」を実名で5商品に絞り込んで紹介する実践書です。2018年に標準利率・標準生命表が大幅改定されたことで、掛け捨て型の定期保険・収入保障保険の保険料が大幅に引き下げられました。この保険料改定の恩恵を最大限活かした組み合わせ方を解説しています。
この本で学べること
- 9割の世帯が加入している医療保険が「実は不要な場合が多い」理由
- 保険選びの2大基準(①めったに起きない、②経済的損失が自己資金を超える)
- 2018年改定で掛け捨て保険の保険料が割安になった背景と活用法
- 就業不能保険が今後最も重要になる理由(特に自営業・フリーランスの方)
- 月1万円以下の保険料で主要リスクをカバーする「保険の組み合わせ方」
- 保険の種類ごとの「いる・いらない」の明快な結論
著者プロフィール
長尾義弘氏は、出版社勤務を経て1997年にNEO企画を設立した出版プロデューサー兼AFP。保険ランキング・評価の専門家として多数の著書を持ち、「保険を一度も販売したことがない公平中立な立場」からの執筆を貫いている。
こんな方におすすめ
- 「結局どの保険を選べばいいか」という答えを知りたい方
- 複数の保険を比較したが、どれも同じに見えて迷っている方
- 保険料を見直して家計をスリム化したい方(特に子育て世代・共働き世帯)
- 就業不能保険・収入保障保険を初めて検討する方
FPから一言:「商品名を実名で挙げてくれる本」は実は珍しい。独立系FPの立場として、商品比較の際の参考書として手元に置いておく価値があります。「どれを選ぶか」で迷っている方の背中を押してくれる一冊です。
おすすめ本⑤:忙しい人が「1日1分」で保険リテラシーを積み上げる
1日1分読むだけで身につく保険の選び方大全100
著:長尾義弘 / 自由国民社 / 1,650円(税込)
5冊の中で最新刊(2024年)。辞書感覚で使える100項目の保険百科。
どんな内容か
見開き1テーマ・文章+イラスト図版のシンプルな構成で、保険に関する100項目を全網羅した実用書です。幅広くカバーし、各テーマに「見直しチェックポイント」や「辛口コメント」も収録。2024年10月発売で、最新の新NISAとの比較観点も盛り込まれている点が他の4冊と比べた強みです。
6部構成の目次:
1. 保険は本当に必要か?
2. 自分にピッタリの保険
3. どのくらいの保障が必要か?
4. 生命保険のしくみ
5. 保険の見直しポイント&注意点
6. 損害保険の得な入り方
この本で学べること
- 保険はマイホームに次ぐ「人生2番目に大きな買い物」という現実認識
- 終身保険は相続対策には使えるが、貯蓄目的には不向きな理由
- 外貨建て保険・変額保険より新NISAを優先すべき根拠
- 保険営業員の「見直し提案」が損につながりやすい仕組み
- 個人賠償責任保険・海外旅行保険など「入っておくべき保険」
- リビングニーズ特約・先進医療特約など「役立つ特約」の見分け方
こんな方におすすめ
- 保険の勉強をしたいが、まとまった時間がとれない社会人・子育て世代
- 辞書的に「この保険って何?」と調べながら使いたい方
- 最新のNISAとの関係を含めて保険を総点検したい方
- 知識を少しずつ確実に積み上げたい方
FPから一言:「スキマ時間に1テーマずつ」という設計が習慣化しやすく、繰り返し読める構成です。5冊の中で最も「毎日手元に置ける」一冊。保険を学ぶ入口として、特に忙しいファミリー世代に強くおすすめします。
5冊をどう読み進めればいいか:ロードマップ
そもそも保険って何?という完全初心者 ③だけでOK
今加入している保険を整理したい ③→①
業界の裏事情まで深く知りたい ③→②→①
どの保険を選べばいいかを知りたい ③→④
毎日少しずつ学びたい ⑤をメインに随時参照
まず③で「保険の手数料構造と公的保障の実力」を頭に入れ、次に②で業界の構造的問題を深掘りし、①で今の保険を整理する、という流れが最も効率的です。
まとめ:本で基礎を固めると、保険の「断り方」が変わる
保険の営業担当者は「加入してもらうこと」が仕事です。独立系FPへの相談を勧める声が増えている理由も、そこにあります。
「なぜプロほど保険に入らないのか」「本当に必要な保険はどれか」を一度本でしっかり学ぶと、次に保険の話をされたとき、「自分の言葉で判断できる・断れる」ようになります。「もったいない」「損をする」という言葉に左右されず、自分の家庭の状況と公的保障を把握した上で、本当に必要な1本だけを選べるようになります。
それが、毎月の保険料を3万円から1万円台に下げ、浮いたお金をNISAやiDeCoに回す、という家計改善の第一歩にもつながります。
まずは少しずつ、保険リテラシーを積み上げていきましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 保険の本を初心者が最初に読むならどれですか?
「保険のプロが生命保険に入らないもっともな理由」(後田亨著)が最も入門向けです。保険知識ゼロを前提にした対話形式で、手数料構造・公的保障の活用・不要な保険の見極め方まで、やさしく解説しています。
Q. 今加入している保険を見直すにはどうすればいいですか?
まず「この保険、解約してもいいですか?」(後田亨著)を読むのがおすすめです。「保険を使うべき3条件」を理解した上で、現在の加入内容を照らし合わせると、何を残して何を解約すべきかが整理できます。
Q. いらない保険を見極める判断軸はありますか?
「①めったに起きない、②自己資金では賄えない大きな経済的損失、③いつ起きるかわからない」の3条件を全部満たすリスクにのみ保険を使うのが基本です。この軸は今回紹介した5冊に共通するコンセプトです。
Q. 医療保険は本当に不要なのですか?
「高額療養費制度のある日本では、多くの場合、民間の医療保険は不要」というのが後田亨氏・長尾義弘氏に共通した主張です。ただし、余裕資金が少ない方・自営業やフリーランスで傷病手当金のない方は検討の余地があります。自分の状況に合わせて判断することが大切です。
FP相談やお仕事のご依頼については、こちらのページをご覧ください。
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