毎日をちょい上質に|旅×食×ウェルネス

元公務員FPが届ける、暮らしをちょっと豊かにする“お金と言葉”。

【2026年度税制改正】こどもNISAとは?2027年開始の新制度を図解でわかりやすく解説

「2026年度の税制改正で“こどもNISA”が始まるらしいけど、結局なにがどう変わるの?」
「学資保険だけで教育費が足りるのか不安。でも投資はよくわからなくて怖い…」

子どもを持つ親として、こんなモヤモヤを感じていませんか。

2025年12月に閣議決定された「令和8年度税制改正大綱」により、2027年1月から18歳未満の子ども向けに新しい非課税制度「こどもNISA」がスタートする予定です。

「令和8年度税制改正の大綱」の概要

この記事では、資産運用歴20年超の独立系FPが、こどもNISAの仕組みやメリット・注意点を、図解イメージを交えながらやさしく解説します。

こどもNISAの詳細は、令和8年度税制改正大綱および金融庁等の公表資料をもとにした現時点の情報です。今後の法令や運用ルールの整備により、内容が変更となる可能性があります。

 

この記事のポイント
- こどもNISAで「何が」できるのか
- ジュニアNISAとの違い
- 贈与税・引き出し条件など、絶対に知っておきたいポイント
- 実際にどう始めればいいか

 

そもそもNISAって何?(おさらい)

まずは前提となる「NISA(ニーサ)」から簡単におさらいします。

NISAは、投資で得た利益に税金がかからない「少額投資非課税制度」です。  
通常、投資信託や株式で利益が出ると、約20%(正確には20.315%)の税金がかかりますが、NISA口座についてはこの税金がゼロになります。

NISA口座 イメージ図

NISA口座 イメージ図

2024年からは、新しいNISA制度が始まり、

- つみたて投資枠(長期・積立向け)
- 成長投資枠(株式なども含めた運用向け)
- 非課税期間は無期限
- 生涯の非課税保有限度額は1,800万円

という形に拡充されました。  
ただし、この新NISAは「18歳以上」が対象です。

 

こどもNISAとは?【2027年スタート予定の新しい非課税枠】

この「18歳以上しか使えない」という壁を取り払うために創設されるのが、2027年から始まる「こどもNISA」です。

こどもNISAの主なポイントを整理すると、次のとおりです。

項目 内容
対象年齢 0〜17歳(その年の1月1日時点で18歳未満)
年間投資枠 60万円(=月あたり最大5万円程度)
非課税保有限度額 600万円(元本ベース)
非課税期間 無期限
投資対象 新NISAの「つみたて投資枠」の対象商品(主に投資信託)
払い出し 12歳以降、一定の条件を満たせば引き出し可
成人後 18歳になったら大人向けNISA(つみたて投資枠)に自動移行
開始時期 2027年1月1日開始予定

 

「0〜17歳のあいだ、月5万円までの長期つみたてを“非課税・無期限”で育てられる制度」だと考えるとイメージしやすいと思います。

親(あるいは祖父母)が子ども名義のこどもNISA口座を開設し、その中で投資信託を積み立てていく流れです。

払い出しのルール:12歳以降なら条件付きで引き出し可能

旧ジュニアNISAでは「18歳まで原則引き出せない」というルールがあり、「進学前にお金が必要になっても使えない」という大きなデメリットがありました。  
こどもNISAでは、この点が大きく改善されます。

主な払い出しルールは、次のとおりです。

- 12歳になるまで:原則として払い出し不可
- 12〜17歳:一定の条件を満たせば、教育費・生活費などに払い出し可能

条件のイメージ
  - 使い道が「子どものため」であること(入学金・授業料・通学費など)
  - 子ども自身が引き出しに同意していること
  - 金融機関に必要書類(同意書など)を提出すること

タイムラインにすると、次のようなイメージです。

こどもNISAタイムライン イメージ図

こどもNISAイメージ図

FPからの一言:中学受験や私立中高への進学など、教育費のピークが早めに来るご家庭にとっては、使い勝手がかなり良くなったといえます。18歳以降はそのまま大人NISAに移行する点も嬉しいところです。

※具体的な手続きや必要書類は今後の法令・金融機関の運用で変わる可能性があります。


ジュニアNISAとの違いを整理

「今までのジュニアNISAと、何がどう変わるの?」という疑問に答えるため、主な違いをまとめます。

項目 ジュニアNISA(旧) こどもNISA(新)
対象年齢 0〜19歳(開設時) 0〜17歳
年間投資枠 80万円 60万円
非課税保有限度額 400万円 600万円
非課税期間 原則5年+ロールオーバー 無期限
投資対象 上場株式・投資信託など つみたて投資枠対象の投資信託のみ
払い出し制限 原則18歳まで払出し不可(一部例外) 12歳以降、条件付きで払出し可能
制度の状況 2023年で新規口座開設終了 2027年1月開始予定


こどもNISAは「投資対象を投資信託に絞る代わりに、非課税期間を無期限にし、払い出しも柔軟にした制度」と捉えるとわかりやすいです。

 

贈与税の注意点:お金の出どころを意識しよう

こどもNISAの積立に回すお金は、多くのご家庭で「親」または「祖父母」から子どもへ渡される形になります。

このときに意識したいのが「贈与税」です。

- 子ども名義の口座に、親や祖父母がお金を入れる=税法上は「贈与」とみなされる
- 贈与税には年間110万円の基礎控除があり、同一年に同じ子どもが受け取る贈与の合計が110万円以下なら贈与税はかからない

こどもNISAの年間投資枠は60万円なので、それ単体であれば110万円の範囲内に収まりやすい金額設定です。

ただし注意したいのは、

- 入学祝・お年玉・教育費援助など、こどもNISA以外の贈与も合算される
- 祖父母2人+親など、複数の人から贈与があると合計が膨らみやすい

という点です。

こどもNISA 贈与税の注意点

FPからの一言:できれば、家計簿やシートなどで「その子が1年間にいくら贈与を受けているか」を家族で共有しておくと安心です。まとまった金額を祖父母から出してもらう場合には、簡単な贈与契約書やメモを残しておくと、相続税対策の観点からもスッキリ整理できます。

 

こどもNISAのメリット・デメリット

メリット

- 子どもの将来資金を、非課税・無期限で長期運用できる
- 月5万円(年60万円)まで積立でき、教育費〜その先の資金の“種”を作りやすい
- 12歳以降は、進学など教育費のタイミングに合わせて条件付きで引き出せる柔軟性
- 18歳になったら、大人向け新NISA(つみたて投資枠)へ自動移行し、資産形成を継続できる
- 年60万円という枠は、贈与税の基礎控除110万円の範囲に収まりやすく、贈与税の観点でも扱いやすい

デメリット・注意点

- 投資対象が「つみたて投資枠対象の投資信託」に限られ、個別株は買えない
- 投資である以上、元本割れのリスクがあり、学資保険のような“確定利回り”ではない
- 12歳になるまでは原則引き出せないため、急な出費には向かない
- 贈与税の管理を誤ると、思わぬ税負担が発生する可能性がある
- 2027年開始予定のため、現時点(2026年)ではまだ口座開設ができず、制度詳細も今後変更の可能性がある

 

FPからの一言:個別株が買えないことは、投資初心者にとっては、かえって余計な売買を抑えやすいという意味で個人的にはメリットと感じます。またインフレ局面では、現金や確定利回り商品だけに偏らず、成長資産も取り入れたポートフォリオを検討する価値があります。

12歳までは原則引き出せないので、生活資金を確保した上でバランスを見て投資しましょう。

 

積立するとどれくらいになる?ざっくりイメージ

投資成果はあくまで将来の相場次第ですが、イメージを持つために「元本ベース」で考えてみましょう。

こどもNISAは「非課税保有限度額600万円(元本)」まで積立できます。

- 年間60万円 × 10年 = 600万円
- 月5万円 × 10年(120月) = 600万円

例えば、

- 0歳〜9歳まで:月5万円 → 10年間で元本600万円

   → 以降は運用を続けても、非課税枠は維持される(利益も非課税)。

- 0歳〜17歳まで:月3万円 → 18年間で約648万円  

  → 600万円まではこどもNISA枠、それを超える分は課税口座で運用、というイメージになります。

こどもNISA積立イメージ図

運用益はあくまで不確実ですが、「教育費+20代以降の資産形成の土台」を同時に作れるポテンシャルがあるのが、こどもNISAの大きな魅力です。

 

こどもNISAの始め方(2027年に向けての準備)

実際にこどもNISAを使うには、まず「子ども名義の証券口座(未成年口座)」を開設する必要があります。今後の実務フローは各社から順次発表されますが、一般的な流れは次のようになる見込みです。

ポイント
1. 証券会社を選ぶ
2. 親(親権者)が自分の証券口座・NISA口座を持っておく
3. 未成年口座(こどもNISA口座)を申し込む
4. 必要書類を提出する
5. 積立設定をする

2026年のうちにできる準備としては、

- 家計のキャッシュフローを確認し、「現実的に積み立てられる金額」を把握しておく
- 祖父母などからの援助がある場合、贈与税の基礎知識を家族で共有しておく
- 親自身の新NISA(大人枠)と合わせて、家計全体の資産形成方針を整理しておく

といった点があります。

よくある質問(FAQ)

Q1. こどもNISAはいつから始まりますか?  
A. 2025年12月に閣議決定された令和8年度税制改正大綱に基づき、2027年1月1日からの開始が予定されています。こどもNISAは、単に教育費のための制度というより、「次世代の資産形成と金融教育を後押しする」という政策的な狙いも込められています。

Q2. 子どもが18歳になったらどうなりますか?
A. 18歳になった時点で、こどもNISAで保有している資産は、大人向けの新NISA(つみたて投資枠)に自動的に移行する見込みです。

Q3. 祖父母がお金を出してこどもNISAを使うことはできますか?
A. 可能です。ただし、祖父母から子どもへの資金拠出は「贈与」にあたり、年間110万円を超えると贈与税の対象になります。こどもNISA以外の贈与も合算されるので注意が必要です。

Q4. ジュニアNISAと併用できますか?
A. ジュニアNISAは2023年で新規口座開設が終了しており、こどもNISAはその後継にあたる新制度です。新たに、こどもNISAを使うイメージになります。

Q5. こどもNISAで個別株を買うことはできますか?
A. できません。こどもNISAで投資できるのは、新NISAの「つみたて投資枠」の対象となる投資信託・ETFに限られる見込みです。

まとめ:こどもNISAは「子どもの時間」を味方につける制度

最後に、こどもNISAのポイントを整理します。

- 0〜17歳が対象、年間60万円・合計600万円までの元本を非課税で運用できる
- 投資対象は「つみたて投資枠」の投資信託に限定
- 12歳以降は条件付きで払い出しが可能、中学・高校以降の教育費にも柔軟に対応できる
- 贈与税との関係を押さえておけば、祖父母も含め「三世代での資産形成」にも使える
- 18歳以降は大人向け新NISAに自動移行し、子ども自身の資産形成・マネー教育にもつなげやすい

こどもNISAは、「子どもの長い時間」を味方につける制度です。  
学資保険や貯金と並べて、「うちの家計にはどんな組み合わせがちょうどいいか」を考えることで、より納得感のある教育資金づくりができるはずです。

教育費のシミュレーションや、「親の新NISA」「こどもNISA」「学資保険」をどう組み合わせるかは、ご家庭ごとに最適解が違います。

もし「うちの場合はいくら積み立てればいい?」という具体的なイメージを持ちたい場合は、家計全体を見ながら一緒に設計していきましょう。

 

参考リンク

本記事は、以下の公的資料・専門機関のレポート等をもとに執筆しています。

- 金融庁「『令和8年度税制改正の大綱』の概要(NISA関連)」
   https://www.fsa.go.jp/access/r7/270/270_03.pdf

- 金融庁「令和8(2026)年度税制改正について」
  https://www.fsa.go.jp/news/r7/sonota/20251226-2/01.pdf

- 金融庁 NISA特設ウェブサイト
   https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/

- 三井住友トラスト基礎研究所
  https://www.scbri.jp/reports/.assets/newstopics_20260126.pdf

 

※制度内容は、令和8年度税制改正大綱(2025年12月閣議決定)時点の情報にもとづいており、 今後の法令整備や運用状況により変更となる可能性があります。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・投資を勧めるものではありません。投資は自己判断・自己責任でお願いいたします。

 

 

小林良(こばやしFP事務所)

この記事を書いた人

小林 良 独立系ファイナンシャルプランナー

元地方公務員(埼玉県羽生市・17年間勤務)39歳で独立系FPとして開業。19歳から約20年にわたり日本株を中心に資産運用を実践。資産運用の相談を専門に「売りたい商品のない中立的な立場」で情報発信しています。
保有資格:AFP/2級ファイナンシャル・プランニング技能士/証券外務員一種
得意分野:新NISA・資産運用・家計設計・公務員マネー

※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・投資を勧めるものではありません。投資は自己判断・自己責任でお願いいたします。


あわせて読みたい関連記事

daily-luxlife.com

daily-luxlife.com

 

FP相談やお仕事のご依頼については、こちらのページをご覧ください。
▶︎(現在準備中です)

 


にほんブログ村 経営ブログ ファイナンシャルプランナーへ