
2026年5月募集分の個人向け国債の条件が発表されました。前月より3種類すべてで金利が上昇し、「そろそろ真剣に検討してみようかな」と感じる水準になりつつあります。
財務省:個人向け国債(変動10年・第194回他)の発行条件等
金利が動きやすい今の環境では、毎月の変化を追いかけていくことも大切です。
今回は資産運用歴20年超の独立系FPが、2026年5月の金利水準と3つのタイプの特徴をまとめましたので、投資初心者の方に向けて分かりやすく解説いたします。個人向け国債の金利は、今後も月イチで定点観測していきます。
・変動10年・固定5年・固定3年の違い(超シンプル版)
・初心者向けのタイプ別選び方
・元公務員FPのひと言レビュー
- 2026年5月募集分の基本データ【まずここだけ】
- そもそも個人向け国債ってなに?
- 3タイプのざっくり特徴
- 金利はどのくらい上がってきた?過去2年の推移
- 100万円を預けると、いくらになる?ざっくりイメージ
- 中途換金はできる?注意点をチェック
- どのタイプを選ぶ?かんたん判断フロー
- 2026年5月 FP視点の筆者ひと言レビュー
- どこで買える?
- 自分軸で判断できるようになることがゴール
2026年5月募集分の基本データ【まずここだけ】
財務省より、個人向け国債(2026年5月募集分)の発行条件が発表されました。
募集期間:2026年5月14日(木)〜5月29日(金)
発行日:2026年6月15日(月)
購入単位:1万円から1万円単位
購入手数料:無料
2026年5月の金利早見表
| 種類 | 回号 | 金利 (税引前・年率) |
前月比 | 満期 |
|---|---|---|---|---|
| 変動10年 | 第194回債 | 1.67% | +0.12% | 10年 |
| 固定5年 | 第182回債 | 1.89% | +0.10% | 5年 |
| 固定3年 | 第192回債 | 1.57% | +0.06% | 3年 |
3種類すべてで前月(2026年4月)より金利が上昇しています。3本とも金利が前月を上回ったのは、日銀の金融政策の修正を背景にした長期金利の上昇が続いているためです。
かつては預金金利とも大差ない水準でしたが、非常に面白味のある金利になってきたのではと感じています。
そもそも個人向け国債ってなに?
個人向け国債は、日本国政府が個人向けに発行する債券です。元本と利子の支払いは国が保証しており、株式や投資信託とは異なり元本割れのリスクが原則ありません。
・1万円から購入できる(1万円単位)
・手数料は無料(購入時・償還時ともに)
・最低金利0.05%が保証されているため、利子がゼロになることはない
・毎月発行されており、1年に12回購入チャンスがある
2026年5月時点では、多くの大手銀行の定期預金(金利0.数%台)と比べても、個人向け国債の金利は一段高い水準になっています。
⚠️ 注意点:発行後1年間は中途換金ができません。急に必要になるかもしれないお金には向きません。
3タイプのざっくり特徴
個人向け国債には3種類あります。

性格比較表
どのタイプを選ぶかは、「いつ使うお金か」で考えるのが一番シンプルです。
ざっくりとした“性格”を表にまとめると、次のようになります。
| 種類 | 金利 | 満期 | こんな人向け |
|---|---|---|---|
| 変動10年 | 半年ごとに変わる | 10年 | 将来の金利上昇も取り込みたい人 |
| 固定5年 | 購入時に固定(5年間変わらない) | 5年 | 今の水準を5年ロックしたい人 |
| 固定3年 | 購入時に固定(3年間変わらない) | 3年 | まず短めで試してみたい人 |
変動10年(金利が半年ごとに変わるタイプ)
半年ごとに金利が見直されるため、今後さらに金利が上がれば受け取る利子も増えていくという特徴があります。今回の初回適用金利は1.67%です。
一方で、市場金利が下がれば受け取る利子も下がります。ただし、いかなる状況でも最低0.05%は保証されています。
仕組みや詳しい活用法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
固定5年(今回3種類の中で最も金利が高い)
購入時の金利1.89%が5年間ずっと変わりません。「いまの利率をそのまま確定させてしまいたい」という方に向いています。
たとえば5年後に大きな旅行を計画している、子どもの進学費用を準備したい、といった具体的な目標がある方にもフィットしやすいタイプです。市場金利が下がっても、自分の金利はそのまま維持されます。
固定3年(まず試してみたい人の入口)
金利1.57%が3年間固定されます。5年よりも短い期間で、「まずはお試し」として使いやすいタイプです。
「ボーナスの一部だけ」「使い道が3年後には決まっている資金」など、無理なく始めやすい選択肢です。5年より利率は低いですが、期間が短い分だけ柔軟に動かせます。
金利はどのくらい上がってきた?過去2年の推移
個人向け国債の金利は、2024年以降に大きく上昇しています。かつての「ほぼ0%の商品」とは性質が変わってきています。

金利推移の主要ポイント
| 発行月 | 変動10年 | 固定5年 | 固定3年 |
|---|---|---|---|
| 2024年1月 | 0.46% | 0.25% | 0.05% |
| 2024年6月 | 0.57% | 0.45% | 0.29% |
| 2025年1月 | 0.71% | 0.71% | 0.60% |
| 2025年7月 | 1.00% | 1.00% | 0.79% |
| 2026年1月 | 1.23% | 1.35% | 1.10% |
| 2026年6月(今回) | 1.67% | 1.89% | 1.57% |
この背景には、日本銀行の政策修正(マイナス金利解除)と長期金利の上昇があります。個人向け国債は、毎月募集ごとに金利が更新されるため、買うタイミングそのものがリターンに影響する商品です。
100万円を預けると、いくらになる?ざっくりイメージ
固定5年・固定3年は「金利が変わらない」と仮定して、変動10年は「初回金利が続いた場合」の目安として試算します(税引前・概算)。
| 種類 | 金利 (税引前) |
年間利子 (税引前・100万円の場合) |
目安期間 |
|---|---|---|---|
| 変動10年 | 1.67% | 約16,700円 /年 | 10年 |
| 固定5年 | 1.89% | 約18,900円 /年 | 5年 |
| 固定3年 | 1.57% | 約15,700円 /年 | 3年 |
ポイント:利子は半年ごとに受け取る仕組みで、その都度20.315%の税金(所得税・復興特別所得税・住民税)が差し引かれます。上の表は税引前の概算なので、実際の手取りはやや少なくなります。
中途換金はできる?注意点をチェック
個人向け国債は、発行から1年経過すれば中途換金が可能です。ただし換金時には、以下のようなペナルティが発生します。
中途換金調整額の計算式(発行後1年以上の場合)
受取金額 = 額面金額+経過利子相当額 - 直前2回分の各利子(税引前)相当額 × 0.79685
わかりやすく言うと、「直近の利子2回分相当を返してから換金する」イメージです。ただし、受け取った利子以上のペナルティにはならないため、元本割れにはなりません。
中途換金調整額の詳細なシミュレーションは財務省の公式サイトでも確認できますので、ぜひご覧ください。
どのタイプを選ぶ?かんたん判断フロー
目的と期間から考えると選びやすいと思います。
・3年後に使う予定がある資金 → 固定3年(期間が短く、柔軟)
・3〜5年は使わないと決められる資金 → 固定5年(今回1.89%で今の水準を固定)
・長期・10年スパンで将来の金利上昇も取り込みたい → 変動10年

※「このフロー図では、『3年以内に使う予定がある』=『3年ぐらい先に使う用途が見えているお金』というイメージで使っています。1年以内に使う可能性が高いお金は、そもそも個人向け国債ではなく普通預金などで持っておくのが基本です。」
💡 元公務員FPのひと言:「生活防衛資金(生活費の3〜6か月分)は普通預金に残しておく、それ以外に当面使わないと決めたお金から検討を始める」のが基本の考え方です。旅行や将来の積立に、個人向け国債を1本加えてみるのも選択肢の一つです。
2026年5月 FP視点の筆者ひと言レビュー
今月(2026年5月募集分)は、3種類すべてで前月比プラスという結果でした。特に固定5年の1.89%は、「今のうちに利率を固定したい」という方にとって意識しておく水準です。
筆者は、今後もある程度のインフレが続き、日本の長期金利も中長期的にはじわじわ上がる可能性が高いと見ているため、自分のお金であれば変動10年を選ぶと思います。
とはいえ、金利や物価の先行きには不確実性も大きく、「これが絶対の正解」という商品はありません。あくまでご自身の資金用途と期間に合うタイプを選ぶことが、失敗しにくい基本の考え方です。
どこで買える?
個人向け国債は、銀行・証券会社・ゆうちょ銀行・ネット証券など、全国の多くの金融機関で購入できます。
購入時・償還時ともに手数料はかかりませんので、まずはすでに口座をお持ちの金融機関で取り扱いを確認してみてください。
<公式情報はこちら>
自分軸で判断できるようになることがゴール
このブログでは、毎月「今月の金利」「前月からの変化」「筆者のひと言レビュー」をお届けします。
金利が上がっても・下がっても、毎月コツコツと情報を確認し、自分軸で判断できるようになることが、このシリーズのゴールです。
来月(2026年6月募集分)は2026年6月4日〜6月30日に募集開始予定です。次回も一緒に確認しましょう。
本記事の主な参考文献・出典
- 財務省「個人向け国債」公式サイト
※制度や数字は執筆時点の公表情報に基づいており、将来変更される可能性があります。
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