
「新窓販国債と個人向け国債、どっちを選べばいいの?」と迷っているなら、私の結論は、「個人向け国債」です。現在のインフレ環境を踏まえると「変動10年」を軸に考えるのが無難と考えています。
新窓販国債にも特徴はありますが、個人の投資初心者が最初に積極的に選ぶ商品ではありません。この記事では、両者の違いを整理しながら、「自分にはどちらが合うのか」を判断できるように解説します。
※本記事には、筆者の個人的見解が含まれています。ご了承ください。
- そもそも国債って何?初心者が知っておくべき基本
- 個人向け国債とは?3つのタイプと特徴を解説
- 個人向け国債の最大のメリットは「始めやすさ」と「元本の安心感」
- 新窓販国債とは?個人向け国債との根本的な違い
- 【比較表】新窓販国債と個人向け国債の違い
- 【診断】あなたに合うのはどっち?3つの質問で選ぼう
- よくある質問
- まとめ
そもそも国債って何?初心者が知っておくべき基本
国債は、国が資金調達のために発行する債券です。「国にお金を貸し、そのお礼として利子を受け取る」ことができます。
株式のように大きな利益を狙う商品ではありませんが、国が主体なので、安全性を重視する人の選択肢としてよく挙がります。「値動きは抑えたいけれど、少しでもお金を増やしたい」という人と相性がよい商品です。

個人が買える国債は、代表的には「個人向け国債」と「新窓販国債」の2種類です。 名前は似ていますが、購入単位、金利の仕組み、途中で換金するときの扱いが違います。
筆者コメント: 「国債=どれも同じ」と思いがちですが、実際には、途中で現金化しやすいか、金利が変わるか、元本割れの可能性があるかで、向いている人は大きく変わります。
個人向け国債とは?3つのタイプと特徴を解説
個人向け国債は、名のとおり個人が買いやすいように設計された国債で、「変動10年」「固定5年」「固定3年」の3タイプがあります。いずれも最低1万円から1万円単位で購入でき、利子は半年ごとに年2回受け取れます。

変動10年は、半年ごとに適用利率が変わる仕組みです。市場金利が上がれば受取利子も増える可能性があり、金利上昇局面では固定型より柔軟に対応しやすい特徴があります。
一方、固定5年と固定3年は、購入時の利率が満期まで変わりません。 将来の受取額を見通しやすい反面、後から金利が上昇しても恩恵を受けにくい点は理解しておきたいところです。
| タイプ | 満期 | 金利タイプ | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 変動10年 | 10年 | 変動 | 半年ごとに適用利率が見直される |
| 固定5年 | 5年 | 固定 | 発行時の利率が満期まで変わらない |
| 固定3年 | 3年 | 固定 | 発行時の利率が満期まで変わらない |
個人向け国債については、こちらで詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
個人向け国債の最大のメリットは「始めやすさ」と「元本の安心感」
個人向け国債の特徴は、次の6つです。
・元本割れなし
・国が発行
・1万円から購入可能
・0.05%(年率) の最低金利保証
・年12回(毎月)発行
・中途換金もOK ※ただし、購入後1年は不可

「少額で試せる」「元本割れなし」という2点は、初心者にはとても大きな価値です
注意点は「1年未満は原則換金できない」こと
とても便利な個人向け国債ですが、発行後1年間は中途換金ができません。そのため、生活防衛資金ではなく、「1年以上は使う予定のない余裕資金」で買うことが前提です。
また、変動10年は金利が見直される仕組みなので、今後の金利水準によって受取利子は変わります。ただし、現在のように物価が上がりやすい局面では、変動はむしろ強みになりやすいと思います。
新窓販国債とは?個人向け国債との根本的な違い
新窓販国債は、通常発行の国債を金融機関の窓口で販売する仕組みの商品です。
特徴は次のとおりです。
・全て固定金利
・途中換金の際は国の買取ではなく市場で売却
・最低5万円から5万円単位で購入
・個人だけでなく法人やマンション管理組合なども購入可能

大きな違いは、全て固定金利である、途中換金の場合は市場での売却、法人も購入可能です。特に、市場売却の場合、保有中に金利が上昇すると債券価格が下がり、売却時に元本割れする可能性があります。
途中で換金する場合、元本割れの可能性がある、ということを理解しておきましょう。
新窓販国債は「良い商品」だが、初心者向きではない
新窓販国債は、途中売却時の価格変動を理解する必要があるため、投資初心者としては個人向け国債のほうがわかりやすく、扱いやすい商品と私は思います。
・固定利回りをあえて取りにいく
・途中換金での売却益を狙いに行く
こういった狙いを自分でしっかり説明できるのであれば、ありだとは思います。ただ、現在の物価上昇・金利上昇の可能性を考えると、固定より変動で構えるほうが自然です。
筆者コメント: 新窓販国債は「理解して選ぶ商品」です。金利が下落する局面では、売却益を得られることもあります。価格変動や売却タイミングまで考えられる人向けだと思います。
今後は「個人向け国債プラス」に変わり、一部法人も購入可能へ
財務省は、個人向け国債の販売対象を拡大し、「個人向け国債プラス」へ名称変更する方針を案内しています。そして、2027年1月発行分から、一部の法人等にも販売対象が広がる見込みです。
<参考リンク>個人向け国債の法人等への販売対象拡大について : 財務省
一方で、商品のラインナップや基本的な商品性は変わらないと案内されています。今後は、法人でも変動10年が購入可能になり、法人として運用の幅が広がるので、より人気がでてくるのではと思います。
個人の方にとっては、買い方の本質は変わりませんので、安心してください。
【比較表】新窓販国債と個人向け国債の違い
特に注目したいのは、「最低購入金額」「金利タイプ」「途中換金時の元本リスク」の3つです。
| 比較項目 | 個人向け国債 | 新窓販国債 |
|---|---|---|
| 購入対象 | 個人向け 今後一部法人等へ拡大予定 |
制限なし 法人や管理組合も購入可 |
| 最低購入金額 | 1万円から1万円単位 | 5万円から5万円単位 |
| タイプ | 変動10年、固定5年、固定3年 | 固定10年、5年、2年 |
| 金利の下限 | 年0.05%あり | なし |
| 中途換金 | 1年後から可能 元本割れリスクなし |
市場売却 元本割れリスクあり |
| 向いている人 | 投資初心者 安全性重視 少額から始めたい人 |
商品性を理解し、 価格変動も受け入れられる人 |
「元本割れを避けたい」、「まずは少額から始めたい」なら、個人向け国債がオススメです。
【診断】あなたに合うのはどっち?3つの質問で選ぼう
「結局、自分はどちらを選べばいいのか」を整理するために、3つの質問で確認してみましょう。

1. まずは少額から始めたいですか?
少額なら、最低1万円から買える個人向け国債が向いています。 新窓販国債は最低5万円からになります。
2. 途中でお金が必要になる可能性はありますか?
発行後1年を過ぎれば、個人向け国債は中途換金しても元本割れがありません。 一方、新窓販国債は市場価格で売却するため、タイミングにより損失が出る可能性もあります。
3. 利回りを固定金利で長く確定したいですか?
物価が上がり、今後の利上げも意識される局面では、固定金利を急いで長く確定するより、半年ごとに利率が見直される変動10年のほうが無難です。
筆者コメント: 個人であれは、基本的には個人向け国債でよいと筆者は思います。ただし、新窓販国債を選ぶ理由を自分の言葉で説明できるなら、それはありだと感じます。
よくある質問
Q.新窓販国債と個人向け国債、どちらが安全ですか?
安全という意味では、個人向け国債です。発行後1年を過ぎれば中途換金が可能で、価格変動による元本割れを気にしになくてよいです。
Q.新窓販国債は途中で換金できますか?
可能ですが、個人向け国債とは違い、国が元本価格で買い取るのではなく、市場で売却となります。満期まで保有すれば額面で償還ですが、途中売却の場合は相場によっては損失が出ることがあります。
Q.個人向け国債はどれを選べばいいですか?
現在のインフレ環境を踏まえると、まずは変動10年が有力候補です。半年ごとに利率が見直されるため、金利上昇の流れを取り込みやすいからです。
Q.固定5年や固定3年は選ばなくていいですか?
家計の目的や保有期間によっては選択肢になります。ただ、現時点では固定利回りの魅力を強く感じにくい局面です。初心者が最初に選ぶなら、変動10年を優先して考えるほうが自然と筆者は考えます。
Q.個人向け国債プラスになると、個人には何が変わりますか?
販売対象が一部法人等へ広がる見込みです。ただ商品ラインナップや基本的な設計は大きく変わらない見通しなので、個人投資家としては特に変わりません。
まとめ
新窓販国債と個人向け国債を比べたとき、投資初心者が基本的に選ぶべきは個人向け国債です。最低1万円から始めやすく、発行後1年を過ぎれば中途換金もしやすく、価格変動による元本割れを気にする必要がありません。
そして、現在のように物価がじわじわ上がる環境では、固定金利を急いで取りにいくより、半年ごとに利率が見直される変動10年が有力な選択肢です。
はじめて国債を買うなら、まずは個人向け国債の変動10年を第一候補として考えてみるのがよいでしょう。
本記事の主な参考文献・出典
- 財務省「個人向け国債」公式サイト
- 財務省「新窓販国債」公式サイト
https://www.mof.go.jp/jgbs/individual/kojinmuke/shinmadohan/
※制度や数字は執筆時点の公表情報に基づいており、将来変更される可能性があります。
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