名前が変わると聞くと、「仕組みも変わるのでは」「今まで通り買っていいのかな」と不安になる方も多いかもしれません。
でも、結論からいえば、個人投資家にとって大きく変わるのは主に「名前」と「販売対象」で、商品の基本的な中身は変わりません。。
この記事では、「個人向け国債」と「個人向け国債プラス」の違いを整理しながら、投資歴20年超の独立系FPが投資初心者の方にもわかるように解説します。
・「個人向け国債」と「個人向け国債プラス」の違い
・個人向け国債(プラス)の3タイプの特徴やメリット・注意点
・無理のない資産運用の順番と考え方
- そもそも「個人向け国債」って何?3タイプをサクッとおさらい
- 「個人向け国債プラス」とは?いつから何が変わるの?
- 何が変わる?何が変わらない?
- メリットと注意点
- なぜ一部法人も買えるようになるの?
- 投資初心者はどう選んで買えばいい?
- 購入を検討する前に。家計のお金は「3つの箱」で考える
- よくある質問
- まとめ
そもそも「個人向け国債」って何?3タイプをサクッとおさらい
個人向け国債は、日本国政府が個人向けに発行する債券です。国が元本と利子の支払いを行うため、途中換金しても元本割れしない仕組みになっています。ただし、中途換金時には利子の一部が差し引かれます。
・1万円から購入できる(1万円単位)
・手数料は無料(購入時・償還時ともに)
・最低金利0.05%が保証されているため、利子がゼロになることはない
・毎月発行されており、1年に12回購入チャンスがある
といった特徴があります。
⚠️ 注意点:発行後1年間は中途換金ができません。急に必要になるかもしれないお金には向きません。
3タイプの特徴を比較
個人向け国債には3種類あります。変動10年、固定5年、固定3年の3つです。

性格比較表
どのタイプを選ぶかは、「いつ使うお金か」で考えるのが一番シンプルです。
| 種類 | 金利 | 満期 | こんな人向け |
|---|---|---|---|
| 変動10年 | 半年ごとに変わる | 10年 | 将来の金利上昇も取り込みたい人 |
| 固定5年 | 購入時に固定(5年間変わらない) | 5年 | 今の水準を5年ロックしたい人 |
| 固定3年 | 購入時に固定(3年間変わらない) | 3年 | まず短めで試してみたい人 |
ちなみに2026年6月募集分の金利は、変動10年が1.74%、固定5年が1.86%、固定3年が1.51%でした。数年前より金利水準が上がっており、定期預金と比較した選択肢の一つとして検討する人も増えています。
※筆者個人の見解であり、すべての人に当てはまるわけではありません
▼こちらの記事で詳しく解説しております▼
-【2026年6月】個人向け国債の金利をFPが解説|変動10年・固定5年・固定3年を月次チェック
「個人向け国債プラス」とは?いつから何が変わるの?
2026年12月募集・2027年1月発行分から、商品名が「個人向け国債」から「個人向け国債プラス」に変わります。
財務省は、この変更を販売対象の拡大に合わせたものと説明しています。

「プラス」という名称は、個人に加えて一部の法人等も買えるようになることを示しています。
何が変わる?何が変わらない?
「変わる部分」と「変わらない部分」を分けると非常に分かりやすいです。

財務省のQ&Aでも、販売対象を「個人のみ」から「個人及び一部の法人等」に拡大するだけで、基本的な商品性に変更はないと明記されています。
つまり、個人投資家から見ると「名前は変わるが、中身はほぼそのまま」ということです。
財務省公式サイトより
出典:個人向け国債の法人等への販売対象拡大について(財務省)
メリットと注意点
商品性が変わらないため、メリットと注意点も従来と同じです。
メリット
- 途中換金でも元本割れしない設計(利子の一部は差し引かれる)
- 最低金利0.05%が保証
- 1万円から始められる
- 半年ごとに利子が受け取れます。
注意点
- 発行後1年間は原則として中途換金不可
- 中途換金時は、直前2回分の各利子相当額に0.79685を掛けた金額が差し引かれる
- 株式や投資信託のような高い成長性は期待しにくい
筆者コメント:購入後1年間は中途換金ができないことに注意です。生活防衛資金を入れるのではなく、数年後に使う予定のお金の置き場所として考えましょう。
なぜ一部法人も買えるようになるの?
背景には、国債を安定的に保有してくれる投資家層を広げたいという政府の狙いがあります。具体的には、非上場の中小企業や学校法人・宗教法人などの非営利法人、マンション管理組合などが例として示されています。
ただし、この変更はあくまで販売対象の拡大であり、個人の条件を不利にするものではありません。将来的な制度変更の可能性はゼロではありませんが、少なくとも今回の『プラス』化は、個人の条件を悪化させる趣旨ではありません。

詳細については、財務省の公式サイトを確認するようにしてください。
出典:個人向け国債の法人等への販売対象拡大について(財務省)
投資初心者はどう選んで買えばいい?
個人向け国債(プラス)は、『大きく増やす』というより、『元本割れリスクをなるべく抑えたいお金』の候補として考えると分かりやすい商品です。
目的と期間から考えると選びやすいと思います。
・3年先に使う予定がある資金 → 固定3年(期間が短く、柔軟)
・3〜5年は使わないと決められる資金 → 固定5年(今回1.86%で今の水準を固定)
・長期・10年スパンで将来の金利上昇も取り込みたい → 変動10年

購入を検討する前に。家計のお金は「3つの箱」で考える
家計のお金は、「3つの箱」に分けて考えると分かりやすいです。①生活防衛資金 ②安全に育てる資産 ③リスクを取って育てる資産 の順番で考えましょう。

① 生活防衛資金:まずは守るお金を確保する
生活防衛資金は、病気・失業・急な出費に備えるためのものです。
目安は、会社員なら生活費の3〜6か月分、自営業やフリーランスなら6〜12か月分ほどを、普通預金などすぐに引き出せる形で持っておくと安心です。
② 安全に育てる資産:数年以内に使うお金の置き場
次は、「数年以内に使うかもしれないけれど、今すぐではないお金」を入れる場所です。個人向け国債はここに該当します。
主に、個人向け国債(プラス)、定期預金など、元本割れリスクが小さい商品です。教育費の一部、数年後のリフォーム資金など、「目的と時期が見えているお金」を、預金より少し有利な利率でコツコツ増やすイメージで使います。
③ リスクを取って育てる資産:長期で増やしたいお金
3つ目は、「10年先まで使う予定がない、長期で増やしたいお金」です。具体的には、NISAを使った投資信託や株式など、値動きはあるものの長期で成長を期待できる資産が中心です。
「減っても生活に困らない余裕資金」だけをこの箱に入れることが大切です。生活防衛資金と安全資産の箱ができてから、3つ目の箱に進むステップを意識すると、無理のない資産運用になります。
この3つを理解するだけで、無理のない資産運用の土台が整います。
よくある質問
Q. 「プラス」とついたけどリスクが増えるの?
A. いいえ。基本的な商品性に変更はありません。
Q. 今持っている個人向け国債はどうなる?
A. 既に保有している個人向け国債は、そのままの条件で継続保有できます。
Q. 「プラス」になるのを待ってから買うべき?
A. 個人の条件は変わらないため、待つ必要はありません。
Q. 法人に譲渡できる?
A. 個人から法人への譲渡はできません。
詳細については、財務省公式サイトのQ&Aをご確認ください。
<参考>「個人向け国債の法人等への販売対象拡大」に関するQ&A
まとめ
2027年からの改定の中心は、「個人向け国債」から「個人向け国債プラス」への名称変更と、一部法人への販売対象拡大です。
個人投資家にとっての商品性、買い方、使い方は基本的に変わりません。そのため、個人向け国債プラスは今後も「安全性を重視したいお金」の置き場所として活用しやすい選択肢と言えます。
① 生活防衛資金・数年以内に使うお金・長期で増やしたいお金を紙に書き出す
② 数年以内に使うお金の一部を、個人向け国債プラスで運用するか検討する
③ 具体的な金利や募集状況は、財務省や取引金融機関の最新情報で確認する
これにより、「読んで終わり」ではなく「次に何をするか」が明確になります
本記事の主な参考文献・出典
- 財務省「個人向け国債」公式サイト
- 財務省「個人向け国債」公式サイト
個人向け国債の法人等への販売対象拡大について - 財務省「個人向け国債」公式サイト
「個人向け国債の法人等への販売対象拡大」に関するQ&A
※制度や数字は執筆時点の公表情報に基づいており、将来変更される可能性があります。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・投資を勧めるものではありません。投資は自己判断・自己責任でお願いいたします。
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