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【2026年最新】インフレ時代に定期預金と個人向け国債のどちらがいいか、FPが本音で解説

本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品・サービスへの投資を勧誘・推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。なお、本記事には広告・アフィリエイトリンクが含まれる場合があります。

「銀行に預けていても増えない……でも、株や投資信託は怖い」

そう感じている方にとって、銀行の定期預金と個人向け国債は、現実的な2大選択肢です。どちらも「元本割れリスクが低い」という共通点がある一方で、インフレが続く今の時代には、その選び方が将来の資産に大きな差をもたらします。

この記事では、独立系ファイナンシャルプランナーの筆者が、制度の仕組みや比較だけでなく、「インフレ時代にどちらを選ぶべきか」という点について本音で解説します。

 

 

個人向け国債とは?仕組みと種類を整理する

国が発行する、個人向けの債券

個人向け国債は、国(財務省)が資金を調達するために個人向けに発行する債券です。元本と利息の支払いは国が保証しており、日本国内で購入できる金融商品の中でも、信用リスクという点では最高水準の安全性を持ちます。

<リンク>個人向け国債窓口トップページ : 財務省

銀行や証券会社で購入でき、最低1万円から、手数料なしで始められます。毎月募集されており、購入のハードルは決して高くありません。


3つの種類と金利の特徴

個人向け国債には以下の3種類があります。変動10年、固定5年、固定3年です。

種類 金利タイプ 期間 2026年6月募集の金利
(税引前)
変動10年 変動(半年ごとに見直し) 10年 1.74%
固定5年 固定(満期まで変わらない) 5年 1.86%
固定3年 固定(満期まで変わらない) 3年 1.51%

※参考:財務省「個人向け国債」(2026年6月時点)


変動10年の大きな特徴は、市場金利の動きに連動して半年ごとに利率が見直される点です。金利が上がれば受け取る利息も増える仕組みになっており、後述する「インフレへの強さ」に直接つながります。

固定型(3年・5年)は、購入時の金利が満期まで変わらないため、将来の受取額を事前に計算できるメリットがあります。

 

途中換金のルールを知っておこう

個人向け国債には購入後1年間は換金不可というルールがあります。1年経過後は1万円単位で中途換金できますが、その際に「直前2回分の利子相当額×0.79685」が差し引かれます(中途換金調整額)。

急ぎで現金が必要になる可能性があるお金には向かない点は、購入前に必ず理解しておきましょう。

1年以上は使う予定のない資金での購入を推奨します。


銀行の定期預金とは?使い勝手と金利の現実

一定期間、預け入れるだけのシンプルな商品

定期預金は、銀行に一定期間・一定金額を預けることで、普通預金より高い金利を受け取れる商品です。仕組みはシンプルで、多くの方が馴染みを持っています。

口座さえあれば手続きは簡単で、自動積立定期や給与天引きにも対応しているケースが多いため、「貯める習慣をつくる仕組み」としても有効に機能します。

預金保険で1000万円まで保護される

万が一、銀行が経営破綻した場合でも、預金保険制度によって1金融機関あたり元本1000万円とその利息まで保護されます。国債とは異なる担保ですが、日常的に使う金融機関においては十分な安全網といえます。

2026年の定期預金金利の実態

金利上昇を受けて、ネット銀行では定期預金金利も上昇傾向にあります。
2026年6月時点の主要ネット銀行の1年定期預金金利は以下のとおりです。

<参考>

- SBJ銀行(ミリオくん・1年)1.25%
- 大和ネクスト銀行(1年)1.20%
- オリックス銀行(1年・新規)1.40%
- SBI新生銀行(スタートアップ・新規)1.30%

メガバンクの定期預金は依然として0.3~0.4%台が中心であり、ネット銀行と大きな差があります。また、1年以上の長期定期になるほど、現状では金利が必ずしも高くないケースもあります。

 

インフレ時代に「定期預金 vs 個人向け国債」徹底比較

以下の表で2つを比較します。

比較項目 個人向け国債(変動10年中心) 銀行定期預金
元本保証の仕組み 国が元本・利息の支払いを保証 預金保険で1000万円+利息まで保護
金利タイプ 変動(半年ごとに実勢金利に連動) 固定(預入時の金利でロック)
2026年6月の
金利
変動10年:1.74% 
固定5年:1.86%
固定3年:1.51%
ネット銀行1年:1.0〜1.3%程度
インフレへの強さ 変動なら相対的に強い
(金利上昇に追随)
弱い(金利固定のため)
流動性 1年間は解約不可。
以降は中途換金可
途中解約可
最低購入金額 1万円から 銀行・商品により異なる(数百円〜)
複利効果 半年ごとに利息受取(単利。再投資は自分で行う) 満期自動継続などで複利運用しやすい
インフレ率(2026年4月) 消費者物価指数 前年比 +1.4%(総務省) 同左

2026年4月の消費者物価指数は前年同月比+1.4%(総務省統計局)。
個人向け国債変動10年の1.74%は、税引き後(約1.39%)で実質的にインフレ率と拮抗する水準。定期預金(1年:1.0〜1.3%)は、税引き後でインフレ率を下回るケースが多い状況です。

<参考>2020年基準 消費者物価指数 全国 2026年(令和8年)4月分(2026年5月22日公表)


FPとしての本音|インフレ時代、私はこう考える

余裕資金なら「本来は株式・投信ベース」が正直なところ

正直に言えば、老後や将来に向けた余裕資金の運用という文脈では、株式を含む投資信託(インデックスファンドなど)を活用する方が、長期的なインフレへの対抗力は圧倒的に高いと考えています

2%前後のインフレが継続する環境では、国債も定期預金も「元本の名目額は守られても、実質的な購買力は少しずつ削られる」のが現実です。

しかし、「株や投資信託は価格が下がることがあって怖い」という感覚は、多くの方が持つ正直な気持ちです。そういった方にとって、現実的な選択肢がこの2つになります。

 

インフレ時代に定期預金で長期間固定することのリスク

金利が固定される定期預金を、長期で大きな額に使うことは、FPとして懸念。

インフレがさらに進んだり、日銀がさらなる利上げをした場合、「今の金利でロックしてしまった定期預金」は、後から振り返ったときに相対的に損をしていることになります。

例えば、2026年時点で「1年定期・1.3%」に1000万円を預けたとします。翌年インフレが2%、定期継続時の金利が2%に上昇していたとしても、今年1年間の運用はあくまで1.3%です。元本は守られますが、実質的な購買力は目減りしています。

一方、個人向け国債の変動10年は半年ごとに金利が見直されるため、インフレや市場金利の上昇に自動的に追随します。元本が守られながら、利率も上がっていく仕組みは、今の時代に合理的な選択肢になり得ますが、あくまで他の資産とのバランスや将来の金利動向次第で評価は変わる点には注意が必要です。

 

それでも定期預金が「向いている」ケースは存在する

ただし、「だから定期預金はいらない」とも言い切れません。定期預金が役立つ場面は確かにあります。

1年以内に使う予定がある資金
旅行、車の購入、近いリフォームなど、使う時期が近い資金は、1年未満の解約ができない国債より、いつでも解約できる定期預金の方がシンプルです。

「貯める仕組み」をつくりたい人
給与天引きや自動積立の設定ができる定期預金は、「気づいたら使ってしまう」という方の貯蓄ツールとして今も有効です。この点において国債は代替にはなりません。

今後、金利が下がり始めた局面
もし今後、金利が下落に転じる局面が来た場合は話が変わります。「今の比較的高い金利を長く固定したい」という場面では、定期預金や個人向け国債(固定5年)が有利になります。変動10年は金利が下がれば利率も下落するため、この点は頭に置いておく必要があります。

 

私なりの結論:「時間軸と資金の性格」で使い分ける三層構造

まとめると、私の考えはこうです。

資金の性格 向いている選択肢
1年以内に使う可能性が高いお金
(生活防衛資金含む)
定期預金(短期)・普通預金
中長期・当面使わない守りのお金
(余裕資金)
個人向け国債・特に変動10年
インフレを超える成長を狙うお金
(余裕資金・長期)
投資信託などのリスク資産

インフレ・金利上昇の継続が前提であれば、中長期の余裕資金の置き場所としては、定期預金より個人向け国債(変動10年)の方が一つの選択肢として有力と考えています。ただし、金利動向・インフレ率・税制等の変化によって有利・不利の関係は変わり得ます。

「元本保証で守る安全ゾーン」と「成長を狙うゾーン」を意識的に分けたうえで、後者にNISAや投資信託を活用する三層構造が、インフレ時代の資産形成では最も現実的な設計です。

 

まとめ:インフレ時代の「安全資産」との正しい付き合い方

- 個人向け国債(変動10年)は、金利上昇・インフレ局面では定期預金より合理的な選択肢になりやすい
- 定期預金は「流動性」「積立の仕組み化」「金利下落局面でのロック」という場面で有効
- 余裕資金でインフレを超えるリターンを目指すなら、投資信託(株式)を無視することはできない
- どれかひとつではなく、資金の性格と時間軸で使い分ける三層構造が実務的

元本保証の安全資産に関心を持つことは資産形成の第一歩です。「自分のお金の置き場所を見直したい」と感じた方は、ぜひFPへの個別相談もご検討ください。

 

本記事の主な参考文献・出典

※制度や数字は執筆時点の公表情報に基づいており、将来変更される可能性があります。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・投資を勧めるものではありません。投資は自己判断・自己責任でお願いいたします。

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小林良(こばやしFP事務所)

この記事を書いた人

小林 良 独立系ファイナンシャルプランナー

元地方公務員(埼玉県羽生市・17年間勤務)39歳で独立系FPとして開業。19歳から約20年にわたり日本株を中心に資産運用を実践。資産運用の相談を専門に「売りたい商品のない中立的な立場」で情報発信しています。
保有資格:AFP/2級ファイナンシャル・プランニング技能士/証券外務員一種
得意分野:新NISA・資産運用・家計設計・公務員マネー