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みずほFG劣後債(第34回・第35回)を徹底解説|実質5年・コール条項・リスクを初心者向けに解説

本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品・サービスへの投資を勧誘・推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。なお、本記事には広告・アフィリエイトリンクが含まれる場合があります。

2026年7月、みずほフィナンシャルグループが個人向けの社債を2本同時に発行します。

「社債って聞いたことはあるけど、よくわからない」「個人向け国債と何が違うの?」そんな疑問を持っている方のために、資産運用20年超の独立系ファイナンシャルプランナーがわかりやすく解説します。

この記事で分かること
みずほFGの第34回・第35回社債の基本条件と、2本の違い
・「劣後特約」「実質破綻時免除特約」のリスクの意味と、個人向け国債との違い
・第34回・第35回のどちらに向いているか、判断するための考え方

 

 

そもそも「社債」って何?

社債とは、企業が資金調達のために発行する借用証書(債券)のことです。

株式との違いを一言で言えば、「株は会社への出資、社債は会社への貸付」。社債を買うと、あなたはみずほFGに一定期間お金を貸すことになり、その対価として定期的に利息(クーポン)を受け取り、期間が終わると元本が返ってくる仕組みです。

ただし、銀行預金と違って元本保証はありません。発行した企業(発行体)が経営危機に陥ると、元利金が受け取れなくなるリスクがあります。

 

今回発行される2つの社債の基本情報

今回登場するのは、2026年7月17日発行の2銘柄です。

項目 第34回 無担保社債 第35回 期限前償還条項付無担保社債
特徴 10年固定型 実質5年型
期間 10年 10年
(5年で期限前償還される可能性あり)
発行日 2026年7月17日
償還日 2036年7月17日 2036年7月17日
利率
(税引前)
年3.429%(固定) 当初5年:年2.607%
(固定、2031年7月17日まで)
買付単位 100万円以上・100万円単位
発行価格 額面100円につき100円
利払日 毎年1月17日・7月17日(年2回)
格付(予定) AA-(R&I・JCR) AA-(R&I・JCR)
申込期間 2026年7月2日〜7月16日

出典:株式会社みずほフィナンシャルグループ第34回無担保社債(新発債)| 楽天証券

出典:株式会社みずほフィナンシャルグループ第35回無担保社債(新発債)| 楽天証券

※利率は2026年7月2日に決定しました。

出典:みずほFG(8411)第34、35回劣後債発行 - 日本経済新聞

ここで押さえておきたいのが、「途中売却」の扱いです。
本社債は途中売却も可能ですが、市場金利が上昇した場合などには、購入時より価格が下落し、元本割れで売却せざるを得ないこともあります。
個人向け国債と異なり、いつでも額面で換金できるわけではない点には注意が必要です。

2つの違いを「ひと言」で理解する

第34回はシンプルです。10年間、固定の利率でコツコツ利息を受け取り、10年後に元本が返ってくる債券です。利率は年3.429%と高い分、長期間お金が拘束されます。

第35回は少し複雑です。表向きは10年債ですが、5年後の2031年7月17日にみずほFGが「繰上返済します」と言える権利(コール条項)を持っています。繰上返済されれば当初利率年2.607%を5年間受け取って投資は終了し、実質5年の投資期間になります。5年で繰上返済される可能性がある分、利率は第34回より低めに設定されています。

第35回のタイムライン

2026年7月(発行): 年2.607%(固定)で利息を受け取り開始
2031年7月(5年後): みずほFGが「繰上返済するか否か」を判断

・繰上返済→ 元本が返済される。実質5年の投資として終了
・繰上返済しない→ 利率が「5年国債金利++スプレッド」に切替(10年満期まで継続)

2036年7月:10年後 満期償還

「5年で終わるのか、10年まで続くのか」を決める権利は、投資家ではなく発行体であるみずほFG側にあることを理解しておきましょう。

 

最重要ポイント:「劣後債」とは何か?

今回の2銘柄は正式名称に「実質破綻時免除特約および劣後特約付き」と書かれています。これは「普通の社債」とは異なる、劣後債(バーゼルⅢ対応Tier2債券)と呼ばれるものです。

① 劣後特約:「支払いが後回しになる」リスク

みずほFGが万一破綻した場合、一般の借金(銀行借入・普通社債)が全額返済された後でないと、この社債の元利金支払いが始まりません。いわゆる「後回し」にされる仕組みです。

② 実質破綻時免除特約:「元本がゼロになる」リスク

内閣総理大臣が、預金保険法126条の2に基づく特定第二号措置(実質的な破綻処理)を認定した場合、本社債の取り扱いが変わります。その時点以降の元利金支払いは、原則として免除(チャラ)になります。元本が戻ってこない最悪のケースが法的に定められています。

FPコメント:この特約のため、個人向け国債(政府保証付き)や銀行預金(預金保険対象)とは根本的に異なるリスクがあることを、必ず理解した上で検討してください。


▼実質5年債と言われる理由については、こちらをご覧ください▼
-個人向け劣後債「実質5年債」とコールスキップを債券初心者向けに解説

 

税引後の実質利回りは?

利子には20.315%の税金がかかります。税引き後の実質利回りは以下のとおりです。

  税引前
(仮条件中央値)
税引後
(概算)
第34回 年3.429% 約年2.73%
第35回(当初5年) 年2.607% 約年2.08%

※ 正式利率は7月2日に決定しました。
※税引後利回りは一律税率を乗じた単純計算であり、実際の受取額は端数処理や保有期間などにより多少前後します。

 

個人向け国債と比べると?

  みずほFG第34回社債 個人向け国債(変動10年)
利率(税引前) 年3.429% 約1.74%(2026年6月募集分)
発行体リスク みずほFG(民間企業) 日本国(政府保証)
元本 保証なし(劣後債) 実質保証あり
中途換金 売却可能だが価格変動あり 1年後から額面で換金可能
購入単位 100万円〜 1万円〜

本社債は途中売却も可能ですが、市場金利が上昇した場合などには、購入時より価格が下落し、元本割れで売却せざるを得ないこともあります。

個人向け国債は、発行から1年経過後であれば原則として額面で中途換金できますが(中途換金調整額は差し引かれます)、社債とはこの点が大きく異なります。

FPコメント:利率の高さは「リスクの対価」です。みずほFGの格付けはAA−と国内最高水準に近く、デフォルトリスクは低いとはいえ、国債と同等の安全性ではない点は忘れてはなりません。

出典:株式会社みずほフィナンシャルグループ(劣後債)第34回無担保社債(新発債)| 楽天証券

出典:財務省「個人向け国債」公式サイトhttps://www.mof.go.jp/jgbs/individual/kojinmuke/index.html

 

検討の目安となる考え方

検討してみてよい人

- 100万円単位で10年動かさなくてよい余裕資金がある方
- 個人向け国債より高い利率を求め、株式よりも安定した収益を望む方
- みずほFGの信用力・格付けを理解し納得している方
- 劣後債の仕組み(弁済順位・実質破綻時免除)を十分に理解している方

慎重に考えた方がよい人

- 数年以内に教育費・住宅費などでお金が必要になる可能性がある方
- 「元本は絶対に守りたい」という方
- 劣後債の仕組みがよくわからない方(まず理解してから検討を)
- 100万円の余裕資金がない方

 

まとめ:FPからのワンポイントアドバイス

第34回と第35回、どちらが良いか迷ったときの整理は「お金が戻ってくるタイミング」で考えることです。

「10年間、絶対に使わないお金がある」→ 利率が高い第34回
「5年後に現金が戻ってくる可能性を重視したい」→ 第35回のように整理すると比較しやすくなります。ただし、どちらが適切かは他の資産状況や家計全体の設計によっても変わるため、最終判断はご自身で、必要に応じて専門家にご相談ください。

最後に、本記事はあくまで情報提供です。購入前には必ず発行会社や証券会社が提供する目論見書・契約締結前交付書面を熟読するようにしてください。

ご自身の家計や資産配分に照らして、この劣後債が本当に必要か迷う場合は、FPに相談するのも一つの方法です。

 

本記事の主な参考文献・出典

本記事は2026年6月19日時点の情報をもとに作成しています。利率は仮条件であり、正式利率は2026年7月2日に決定します。

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本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品・サービスへの投資を勧誘・推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。なお、本記事には広告・アフィリエイトリンクが含まれる場合があります。

小林良(こばやしFP事務所)

この記事を書いた人

小林 良 独立系ファイナンシャルプランナー

元地方公務員(埼玉県羽生市・17年間勤務)39歳で独立系FPとして開業。19歳から約20年にわたり日本株を中心に資産運用を実践。資産運用の相談を専門に「売りたい商品のない中立的な立場」で情報発信しています。
保有資格:AFP/2級ファイナンシャル・プランニング技能士/証券外務員一種
得意分野:新NISA・資産運用・家計設計・公務員マネー